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口頭

EUV光源用Snプラズマの輻射輸送係数

佐々木 明; 西原 功修*; 砂原 淳*; 西川 亘*; 小池 文博*; 田沼 肇*

no journal, , 

EUV光源の高出力,高効率化のためには、輻射流体シミュレーションによる発光機構の理論的な解明と最適化が重要であり、その基礎データとしてのプラズマの輻射輸送係数は、想定されるプラズマの広い温度密度範囲において十分正確である必要がある。SnプラズマからのEUV放射は、おもに10価前後のイオンの4d-4f, 4d-5p共鳴線とサテライト線に起因するが、高温では($$>50eV$$)N殻の多重励起状態からの4p-4d, 4d-4f遷移の寄与も重要になる。本報告では、Snイオンの多重・内殻励起状態がプラズマの温度・密度に対する価数の依存性に与える影響と、それらが放出するサテライト線放射が輻射輸送係数に対する寄与について考察する。また、輻射による電離・励起の効果がプラズマのダイナミクスに与える効果について議論する。

口頭

565keV単色中性子校正場における混在$$gamma$$線スペクトル測定

谷村 嘉彦; 堤 正博

no journal, , 

原子力機構・原子力科学研究所では、加速器を利用した単色中性子校正場を開発している。入射イオンとターゲットの核反応で中性子とともに混在$$gamma$$線が発生し、校正に影響を与える可能性があるため、その量を正確に評価しておく必要がある。今回、$$^7$$Li(p,n)$$^7$$Be反応を利用した565keV単色中性子校正場中の混在$$gamma$$線スペクトルをNaI(Tl)検出器を使用して測定したので、その結果について報告する。

口頭

中性子線量評価に用いるシミュレーションコードの現状

佐藤 達彦; 仁井田 浩二*

no journal, , 

中性子は、物質中で複雑な挙動を示すため、その輸送を模擬するためさまざまなシミュレーションコードが開発されてきた。本発表では、それらモンテカルロシミュレーションコードの中で、高エネルギー中性子に対する被ばく線量評価の実績が多数ある5つのコード(FLUKA, MCNPX, MARS, GEANT及びPHITS)に関して、それぞれの特徴や開発の現状について解説する。また、それらの使用時における留意点や、今後解決すべき課題について整理する。

口頭

集束イオンビーム発生に向けた高輝度マルチカスプイオン源の開発,1

辻 敏之*; 小林 明*; 吉田 栄治*; 一原 主税*; 足立 成人*; 石井 保行; 芳賀 潤二

no journal, , 

タンデム加速器にMeV領域イオンビーム形成装置を接続してプロトンナノビームを形成するには、物点に設置した開口がマイクロメートル級のスリットと荷電変換部におけるビーム損失が大きいため、集束点でのビーム電流が極めて少ない。このため10pA以上のビーム電流を必要とする微細加工や局所元素分析等に本イオンナノビームを用いるには、輝度の高い水素負イオンビームを生成するイオン源の使用によりビーム減少を緩和することが不可欠である。マルチカスプイオン源で生成される水素負イオンは数eVのイオン温度と、大きな体積のプラズマ生成室を有するため、高輝度イオンビームの成生が期待できる。本研究では、16極のカスプ磁場,大気中で交換可能なフィルター磁石、及びアルカリ金属が不要である特徴を有するマルチカスプイオン源を試作して特性試験を行っている。これまで高輝度化の第1段階として負イオン電流を増大させる条件を探索し、適切なイオン源内真空度とアーク電流及び電圧等を見いだした。発表ではイオン源の概要を紹介するとともに、得られた条件をもとに高輝度化への問題点を議論する。

口頭

RFCVDプラズマの内部及び外部制御パルス運転

山内 俊彦; 中垣 圭太; 管野 善則*; 小林 清二*; 竹本 亮*

no journal, , 

自己発生型(Passive)内部パルスICPプラズマの発生研究では位相整合をはずしておくと、遷移パワー閾値付近で急にICPパルスが自発的に発生した。このパルスはICPであり、パルス間はCCPである。それがある一定の周期で繰返し起こすことに成功した。これはプラズマが意図的に残したある反射パワーを自分で自動的にゼロに変化させ、self-consistentに内部パルスを発生させている。われわれは、これと比較するため外部パルスICP(Active)パルス回路を製作した。このパルスICPは、膜生成に重要なラジカルの発生・制御に効果的といわれている。それゆえ今回は、上述のパルスICPプラズマと膜特性について発表する予定である。

口頭

タングステン表面に注入された不純物元素の深さ分布と化学結合状態に関する研究

上浦 良友*; 梅澤 憲司*; 寺岡 有殿; 吉越 章隆

no journal, , 

2.5keVの運動エネルギーを持つ窒素イオンビーム(N$$^{+}$$, N$$_{2}$$$$^{+}$$)を薄い酸化膜を有する多結晶W表面に室温にて照射した。イオンビーム照射後のWの変性層の組成や化学結合状態の深さ方向分析を、SPring-8のBL23SUに設置されている表面反応分析装置で光電子分光測定を行った。窒素イオンビームを注入条件(2$$times$$10$$^{16}$$ions/cm$$^{2}$$)で入射したW表面におけるW4fスペクトルを592eVの放射光を光源として測定した。金属のW4f$$_{7/2}$$, W4f$$_{5/2}$$、及び、それらの表面酸化物に由来する2つのピークのほか、-W-N-結合由来のピークも混在していることが示唆された。同時に測定したN1sスペクトルにも高結合エネルギー側でケミカルシフトが生じた。これはバルク側でより顕著であった。これは窒素原子がより深い位置に達していることを表している。

口頭

Si(110)面上1原子層酸化膜の形成過程とその界面結合状態

山本 喜久*; 富樫 秀晃*; 加藤 篤*; 末光 眞希*; 成田 克*; 寺岡 有殿; 吉越 章隆

no journal, , 

非プレーナー型3D-CMOSデバイスの活性面として注目を集めるSi(110)表面の1原子層酸化膜の形成過程、及び、界面化学結合状態の時間発展をリアルタイム放射光光電子分光を用いて調べた。基板温度813K,酸素圧力1.1$$times$$10$$^{-5}$$Paで酸化した場合のSi2p光電子スペクトルの酸化成分(Si$$^{n+}$$:n=1-4)の時間発展を解析した。酸素暴露量30L付近までのSi$$^{2+}$$の急成長は、Si(001)酸化と同様にSi$$^{2+}$$を介した酸化反応経路の存在を示唆している。一方、Si(001)酸化と対照的に、1MLまで一貫してSi$$^{3+}$$がSi$$^{4+}$$よりも優勢であった。この特徴から反応機構を推測した。Si(110)面の第一層酸化が、(110)面内に密に並ぶ鎖状Si-Si結合(A結合)への酸素挿入と、(-110)面内のSi-Si結合(B結合)への酸素挿入から成り、A結合の酸化が酸化歪の蓄積によって部分的にしか行われないためと理解される。

口頭

SR-PESとSTMによるSi(110)-16$$times$$2室温酸化表面上の準安定状態の観察

富樫 秀晃*; 山本 喜久*; 後藤 成一*; 高橋 裕也*; 中野 卓哉*; 今野 篤史*; 末光 眞希*; 朝岡 秀人; 吉越 章隆; 寺岡 有殿

no journal, , 

室温で酸素吸着させたSi(110)-16$$times$$2表面と熱処理した表面を、リアルタイム放射光・光電子分光法(SR-PES)、及び、走査型トンネル顕微鏡(STM)により観察し、Si(110)室温酸素吸着表面の熱的安定性を明らかにした。室温で10Lの酸素に暴露したSi(110)表面を573Kで15分間加熱すると、Si$$^{2+}$$及びSi$$^{3+}$$成分のピーク位置がそれぞれ0.20eV, 0.12eV高エネルギー側にシフトし、熱酸化膜の位置に近づいた。このような振る舞いはSi酸化に伴うSi-O-Si結合角やSi-O結合長の変化によるものである。Si(110)表面のSTM観察では、酸素分子の吸着構造が加熱によって凝集酸化構造に変化することが見いだされた。これらSR-PESとSTMの結果から、Si(110)-16$$times$$2表面上の酸素分子吸着構造は準安定状態であり、加熱によってより安定な凝集酸化構造に変化することが明らかになった。

口頭

大強度レーザーによる透明素材の絶縁破壊過程の第一原理シミュレーション

乙部 智仁

no journal, , 

レーザーによる誘電体の加工,制御技術において、絶縁破壊過程は最も重要な過程である。しかし、これまでに第一原理的シミュレーションによる研究は皆無である。本研究では多電子ダイナミクスの第一原理的記述法の一つである時間依存密度汎関数法(TD-DFT)の基礎方程式である時間依存Khon-Sham方程式を実時間-実空間法により解くことで強レーザー場による透明素材中電子のダイナミクスの記述とその機構解明を目指している。計算結果からダイアモンド電子の励起はおもに原子間にいる電子により起こること、レーザー強度が上がるとバンドギャップを超えるのに必要な光子以上の光子数を吸収することがわかった。

口頭

水素終端Si(110)表面UV/O$$_{3}$$酸化過程のXPS解析

中野 卓哉*; 富樫 秀晃*; 松本 光正*; 山本 喜久*; 鈴木 康*; 寺岡 有殿; 吉越 章隆; 末光 眞希*

no journal, , 

水素終端Si(110)面の室温UV/O$$_{3}$$酸化時における酸化膜の時間発展を放射光光電子分光法によって観察し、水素終端Si(110)表面に固有の酸化機構を見いだした。HF処理により水素終端させたSi(110)面に、大気下で低圧水銀ランプによるUV光(253.7, 184.9nm)を照射して表面を酸化した。UV/O$$_{3}$$照射時間に対する酸化膜厚の時間発展はステップ的挙動を示し、そのステップ幅は約0.2nmであった。これはSi(110)面の酸化膜厚1層分(0.19nm)にほぼ等しい。(110)面内のSi原子には鎖状に密に結合するAボンドと上下のAボンド鎖を膜厚方向に疎に結合するBボンドがある。ステップ的酸化挙動は酸化歪の小さいBボンド酸化がAボンド酸化に比べて大きな反応速度を持つと考えることで理解可能である。

口頭

超熱酸素分子線によるCu(410)表面の酸化物生成の表面温度依存性

岡田 美智雄*; Vattuone, L.*; 盛谷 浩右*; Gerbi, A.*; Savio, L.*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; Rocca, M.*; 笠井 俊夫*

no journal, , 

Cu(100), Cu(410)表面上での超熱酸素分子線(HOMB)を用いた酸化物生成初期過程の研究を行ってきた。表面温度の効果を明らかにするために、酸化効率が適度に高いCu(410)ステップ表面を利用して、SPring-8のBL23SUにおいて、高分解能X線光電子分光法により酸化物生成の様子を調べた。その結果、室温では、2eV程度のHOMBによりCu$$_{2}$$Oが生成する一方で、100K程度の低温では準安定なCuOが生成することがわかった。このことは、酸素分子線のエネルギーと表面温度をうまく制御すれば、興味深い物性の期待される物質相を生成できる可能性を示している。

口頭

ドライ酸化により作製した6H-SiC MOSFETの$$gamma$$線照射効果

岩本 直也; 大島 武; 小野田 忍; 児島 一聡*; 河野 勝泰*

no journal, , 

耐放射線性炭化ケイ素(SiC)トランジスタ開発の一環として、ドライ酸化を基本とする4種類のゲート酸化法を用いてnチャネル金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を作製し、その$$gamma$$線耐性を評価した。ゲート酸化膜は、1180$$^{circ}$$Cでのドライ酸化を行った後、(1)酸化炉より取り出すことで急冷したもの(Dry),(2)Ar雰囲気で降温したもの(Dry+ArFlow),(3)Ar雰囲気で降温し1100$$^{circ}$$Cでパイロジェニック酸化を行ったもの(Dry+ArFlow+Pyro1100$$^{circ}$$C),(4)Ar雰囲気で降温し800$$^{circ}$$Cでパイロジェニック酸化を行ったもの(Dry+ArFlow+Pyro800$$^{circ}$$C)、の4種類を作製した。作製したMOSFETに、1MR/hの線量率で$$gamma$$線を照射し、MOSFETの電気特性の変化を測定し調べた。その結果、Dry及びDry+ArFlowのサンプルは、$$gamma$$線照射量の増加に伴いしきい値電圧(V$$_{th}$$)が低下し、2MGyを超えると0V以下となることがわかった。一方、Dry+ArFlow+Pyro1100$$^{circ}$$C及びDry+ArFlow+Pyro800$$^{circ}$$Cのサンプルは、2MGyを超えてもV$$_{th}$$の低下は観測されずノーマリオフの特性が維持されることが明らかとなった。このことから、MOSFETの耐放射線性向上において、パイロジェニック法による再酸化が有効であることが判明した。

口頭

Cf-252線源を用いたマイクロピクセル型ガス二次元中性子検出器の特性評価

藤 健太郎; 山岸 秀志; 曽山 和彦; 越智 敦彦*; 谷森 達*

no journal, , 

J-PARC物質・生命科学実験施設では、大強度のパルス中性子を利用した中性子散乱実験が行われる。ここで利用される検出器では高い位置分解能,検出効率,高速応答等の特徴を有する高性能な二次元中性子検出器が必要とされる。これまで、個別信号読み出しを使用したマイクロパターン素子型中性子検出システムの開発を行ってきており、現在はCf-252線源を用いた照射場を作製し中性子計測システムの開発研究を進めている。ここでは作製した照射場においてマイクロピクセル型ガス二次元中性子検出器(micro-pixel gas chamber: MPGC)の特性評価を行った結果を報告する。封入ガスとしてヘリウムと四フッ化炭素の混合ガスを用い、封入圧力を4及び5atmとし特性評価を行った。どちらの圧力においても中性子による信号パルスピークが明瞭であり、低チャンネル側に発生するノイズとの弁別が容易に可能であることがわかった。ここで、われわれが作製した計測システムではチャージアップによって引き起こされるガスゲインの変動は認められなかった。

口頭

低温冷却Yb:LLF結晶を用いたピコ秒再生チャープパルス増幅器

赤羽 温; 青山 誠; 杉山 僚; 久保 亮一; 小川 奏; 辻 公一; 山川 考一

no journal, , 

低温冷却Yb$$^{3+}$$:LuLiF$$^{4}$$(Yb:LLF)結晶を用いた再生増幅器を構築し、波長999nmでのピコ秒マルチmJ動作を確認した。液体窒素温度まで冷却するとYb:LLF($$pi$$偏光)は999nmと1024nmでの断面積が増大し、1000nm付近の再吸収が激減するためこれら2波長において再生増幅が可能である。実験では4msec励起時に波長999nmにおいて最大エネルギー6mJが得られた。増幅光は増幅と同時にGain-Narrowingによりパルス圧縮され、増幅光のパルス幅として13.2psが得られた。また1024nmの増幅光では最大エネルギー及びパルス幅はそれぞれ8.5mJ, 27.4psであった。この再生増幅器では励起LDの集光強度調整により前述2波長の同時発振も可能であり、差周波発生によるTHz領域での応用も期待される。

口頭

原子力機構J-KARENレーザーの高度化とその利用研究,2; 薄膜ターゲットを用いた高エネルギープロトン加速における紫外高調波発生

匂坂 明人; 大道 博行; Ma, J.-L.; Pirozhkov, A. S.; 森 道昭; 余語 覚文; 小倉 浩一; 織茂 聡; 西内 満美子; 桐山 博光; et al.

no journal, , 

高強度レーザーと物質との相互作用により生成される高エネルギーのX線,イオン,電子は、テーブルトップの量子ビーム源として注目されさまざまな応用が提案されている。特に高エネルギーイオンについては、医療用としての小型加速器への利用が期待されている。今回、レーザー励起の高エネルギーイオン発生として薄膜ターゲットからのプロトン発生実験を行った。その際、レーザーとプラズマとの相互作用を調べるため、紫外領域の高調波を同時に測定した。日本原子力研究開発機構設置のチタンサファイアレーザー(J-KAREN)を用いて、薄膜ターゲットに照射した。集光強度は$$sim$$10$$^{20}$$W/cm$$^{2}$$であり、ターゲット裏面方向に発生するプロトンをTOF(Time of Flight)分析器により測定した。また、レーザー反射方向に発生した紫外高調波(2次$$sim$$4次)を、分光器により計測した。レーザーのパルス幅を30fsから500fsまで変えた場合、プロトンの最大エネルギーは1.1MeVから0.8MeVまで減少した。高調波発生については、パルス幅を500fsに変更することで4次までの高調波(200nm)発生を確認した。

口頭

イオン照射基板から得られる急峻なシリサイド薄膜界面の創製

笹瀬 雅人*; 山本 博之; 山口 憲司; 社本 真一

no journal, , 

イオン照射による基板処理は表面に欠陥を生成することから、均一な薄膜成長を阻害すると考えられてきた。一方われわれの研究では、一定の条件でイオン照射した基板表面を用い、イオンビームスパッタ蒸着法により成膜を行うことで極めて高品質な膜が得られ、かつ急峻な界面となることをSi基板上への鉄シリサイド($$beta$$-FeSi$$_{2}$$)薄膜成長において見いだしてきた。イオン照射による表面処理は極めて簡易な手法であり、応用範囲は大きく広がることが期待される。本研究はこの知見をもとに、どのような条件でより品質の良い薄膜,界面が得られるかを明らかにすることを目的とした。断面TEM像に示すように基板処理条件が照射エネルギー1keV,照射量3$$times$$10$$^{19}$$ions/m$$^{2}$$において急峻な界面を持つ高品質薄膜が得られ、最適な処理条件となった。本研究において見られた良好な薄膜,界面の形成はイオン照射が結晶性及び表面構造を損なわない適度な欠陥層を作り、円滑な相互拡散を促したためと考えられる。

口頭

走査型陽電子顕微鏡の開発

前川 雅樹; 河裾 厚男; 平出 哲也; 三輪 幸夫

no journal, , 

われわれの研究グループでは、走査型陽電子顕微鏡を開発した。本装置は数$$mu$$mまで収束し陽電子マイクロビームを形成し、試料上を2次元走査することにより発生する消滅$$gamma$$線の面内分布を取得できるものである。これにより空孔型欠陥を試料面内の空間分布として取得したり、ある微小特定領域のみの欠陥観察を行うといったことが可能となる。開発したマイクロビーム装置では、陽電子線源として独自開発の55MBqの小型密封$$^{22}$$Na(有効径2mm)線源を用いた。これを磁界レンズにより試料上へと収束させたところ、世界最高レベルの収束度となる最小1.9$$mu$$mの陽電子マイクロビーム得られた。このビームを用いて、原子炉環境を模擬した高温高圧水中で応力腐食割れ(亀裂)を生じたステンレス鋼を観察したところ、亀裂よりも先端部分において、光学顕微鏡や電子顕微鏡など従来での測定法では判別できない原子空孔様の欠陥が存在することを世界で初めて発見した。

口頭

多重内部反射赤外分光法を用いたSr初期成長過程におけるH-Si(111)界面のその場観察

山崎 竜也; 朝岡 秀人; 田口 富嗣; 社本 真一; 豊島 安健*

no journal, , 

SrTiO$$_{3}$$のテンプレートとなるSrやSrO薄膜とSi基板との格子不整合の緩衝域として水素単原子バッファー層を挿入し、12%もの格子不整合を克服した薄膜成長に成功した。単原子のナノレベル緩衝域の存在で、このような大きな格子不整合を克服しヘテロエピタキシー成長が成立したケースは極めて稀で、このユニークな薄膜の界面構造を解明することにより、新たな異種物質接合形態を見いだせる可能性が高い。しかしこの埋もれた界面は、通常の顕微鏡的な方法による直接的な観測が困難なため、これまでも成膜後の界面に水素単原子層が残存しているか否か未だ実験的検証が十分になされておらず、水素表面への吸着原子の影響や、安定性について不明な点が多い。本研究では、埋もれた微小領域の水素界面層を実測する目的で、多重内部反射赤外分法(MIR-FTIR)法を用いて、Srエピタキシャル層とH-Si(111)との界面をその場観察し、基板直上の埋もれた水素の原子振動・結合状態の精密評価を行い、この埋もれた界面構造解明への試みを紹介する。

口頭

近接場光リソグラフィ生成7600本/mm多層膜回折格子の1keV領域における回折効率評価

小池 雅人; 川添 忠*; 今園 孝志; 宮内 真二*; 佐野 一雄*; 大津 元一*

no journal, , 

数keVの軟X線域での分光計測の必要性が高まっている。従来の回折格子は、格子定数が数百nm以上あり分散が小さいためkeV領域では実用的な分解能を期待できない。このため、本研究では最近開発された近接場光リソグラフィー装置を用いて数keVの軟X線域用の高刻線密度(7600本/mm)ラミナー型回折格子(格子定数:132nm)を製作した。この方式の利点は上述の高刻線密度回折格子を実用的サイズである5mm角で製作可能なほか、ゾーンプレートのように不等間隔で湾曲した格子溝を数メートルの凹面基板上に製作が可能であることなど、拡張性に富んでいる点にある。次に、数keV領域で高い反射率を呈するMo/SiO$$_{2}$$多層膜(膜周期:約5nm,30対)を回折格子面上に蒸着した。製作した多層膜回折格子の回折効率を0.8-1,7keV領域で立命館大学SRセンターBL-11(軟X線光学素子評価装置)を用いて測定した。その結果、数度程度の比較的大きな斜入射角において2%以上の高い回折効率が得られたほか、回折効率カーブのバンド幅は測定エネルギーの10%程度あった。このことはCCDなどのイメージング装置を用いた同時分光測定への応用の可能性があることを示唆している。

口頭

酸素分子によるSi(111)-7$$times$$7の酸化反応ダイナミクスと初期吸着確率の表面温度依存性

吉越 章隆; 寺岡 有殿

no journal, , 

Si(111)-7$$times$$7上の酸素吸着ダイナミクスをより詳細に明らかにするために、初期吸着確率(S0)の表面温度依存性を放射光リアルタイムO1s XPSで調べた。実験は、SPring-8のBL23SUのSUREAC2000で実験を行った。約2.3eVまで並進運動エネルギー(En)を制御した。En=0.03eVの条件は、バリアブル・リークバルブによるガス導入で行った。酸化時間が零における吸着量の変化率から初期吸着確率を求めた。S0がEnに対して大きな変化を示さない条件(0.15eV, 2.23eV)では、測定誤差の範囲でTs依存性は観測されなかった。このようにTsにS0が依存しないことから、Direct吸着機構が支配的であると考えられる。一方、0.03eVと0.06eVでは、Tsの上昇に伴いS0が減少したことから、Trapping-mediated吸着機構が支配的であることが示唆された。このようにS0のTs依存性から室温でのEn依存性で得た吸着反応機構を矛盾なく説明できた。

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